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最新ゲームをAVアンプで遊ぶと臨場感がヤバい! ヤマハ「RX-V6A」で実践 - AV Watch

ホームシアターとは、あらゆるコンテンツの面白さを増幅する魔法の空間である。なかでも、「ゲーム」はホームシアターとの親和性という意味で映画と並び立つものであると筆者は考えている。特にPS3/Xbox 360の登場以降、ある程度の規模で作られたタイトルはサラウンド音声を収録することが当たり前になり、ますますその想いが強まった。

ただ、サラウンドで作られた「ゲームの音」を「完全な形で」楽しむためには、AVアンプを中心としたシステムを構築する必要がある。導入のハードルが少なからず存在することは確かで、「サラウンド環境でゲームを遊ぶ」というアイデアは、現在においても一般に浸透しているとは言い難い。

そこで今回はヤマハのエントリークラスAVアンプ「RX-V6A」(71,500円)を使い、最新のAVアンプがゲーム体験にどれほどの効果をもたらすのか、導入の段階からじっくりと見ていきたい。

ゲームをサラウンドでプレイすると臨場感がスゴイ

まずは日本を代表するサバイバルホラーシリーズの最新作『バイオハザード ヴィレッジ』(以下『バイオ』)を取り上げる。

ゲーム最序盤、夜の雪道を通り抜けてゲームの舞台となる村に辿り着く一連のシーン。雪を踏みしめる音と主人公の粗い吐息を聴きながら、木々の生い茂る道を歩く。不穏な風に吹かれながら進んでいくと、突如として右側から奇怪な物音が聴こえ、そのまま遠のいていく。驚いて右を見ても、木々に阻まれて音の正体はわからない。この時点で既に、テレビのスピーカーやサウンドバーでは実現不可能な、リアルなマルチチャンネル・サラウンドでしか味わえない感覚が満載である。

しばらくすると荒れた小屋があり、中に入ると文字通り空気感が一変する。外の風音が小さくなって屋内は重い静寂に満ち、部屋のどこかで何かがしたたり落ちる音がやけにくっきりと響く。その時、地下から大きな音が聴こえ、主人公がおっかなびっくり探りに向かうと、そこには……。

筆者は映画にせよゲームにせよ、「音のしょぼいホラーはつまらない」と割と真剣に思っているが、『バイオ』はまさにその対極を行き、「音が良くなればホラーはもっと面白くなる」を体現する。本作は終始主人公の一人称視点で進行するゲームであるため、ゲーム世界で発せられる音は主人公の視点=画面と完全に一致し、凄まじい臨場感が味わえる。闇と寒さに包み込まれ、得体のしれない気配があたりに蠢くなかを歩く恐ろしさに、RX-V6Aと4本のスピーカーが生々しい実感を与える。

ここでシネマDSPプログラムをアレコレと試してみたが、その名の通り「Action Game」が『バイオ』には一番しっくりきた。自分を取り囲む効果音のひとつひとつが存在感を増し、恐怖感も俄然高まる印象だ。ただでさえ静寂と刺激とのコントラストが素晴らしい本作の音作りが、より鮮烈なものになる。もし視聴スペースの関係で音の広がりが足りない・窮屈だと感じるなら、「Spectacle」や「Adventure」などはそうした印象を和らげる方向に効果を発揮する。

続いて、『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』(以下『FF7』)をプレイ。

オープニングから、最初のボスであるガードスコーピオンを倒す一連のシーン。オープニングからして音楽が大きな存在感を放っていることからもわかる通り、本作は日本の多くのRPGがそうであるように、戦闘シーンでもカットシーンでも、音楽が演出において重大な位置を占めている。4.0chでも音楽は部屋いっぱいに広がり、その中で繰り広げられる主人公サイドと敵サイドが奏でる火花と閃光の応酬も、細部まで潰れることなくしっかりと描かれる。特段不満が出るようなレベルではない。

ある程度プレイした後でシネマDSPプログラム「Roleplaying Game」を選択すると、各シーンで音楽に包み込まれる感覚が一気に強まる。さすがに「RPG」プログラムを名乗るだけあって、音楽がもたらすシーンの抒情性をより深いものとする一方で、主人公の振るう大剣や仲間の撃つ銃の鋭さと重さといった効果音が鈍くならないところも好印象だ。ガードスコーピオンが乱れ撃つミサイルやレーザーもさらに濃い軌跡を空間に描き、アクションの爽快感も失われていない。

正直なところ、筆者は基本的にAVアンプの音場プログラム的なものは使わず、もっぱら「ストレートデコード」派なのだが、『バイオ』と『FF7』をプレイしてみて、シネマDSPは確かな効果が感じられ、違和感もほとんどなかった。仮に効果があまりにも露骨すぎると感じた場合は設定から調整も可能なので、自分の好みを反映することもできる。基本的に楽しむためにゲームをしているのだから、シネマDSPをはじめ、ゲームをもっと楽しむために使える機能はどんどん使っていこう。

最後に、『The Matrix Awakens』をプレイ。

これは『マトリックス』シリーズの最新作『マトリックス レザレクションズ』の公開に先立って配信された、最新のゲームエンジンである「Unreal Engine 5」の実力を体験できる技術デモ。グラフィックの壮絶なクオリティの高さは、今まで散々使われてきた「実写じゃん」という感想に今度こそ実感を与えるほどであり、PS5/ Xbox Series X/Sユーザーはぜひプレイしてみてほしい。

本作は申し訳程度のプレイ要素が入ったほぼカットシーンの前半と、自由に超ハイディテールに作り込まれた街中を自由に動き回れる後半で構成されている。

限りなく大多数の人は気にも留めていないと思われるが、実は本作はUnreal Engine 5のサウンド機能「MetaSounds」のデモも兼ねており、それは後半の街で体験できる。

多くの自動車と通行人が行き交う「街の音」は、特に何か事件が起きるわけでもないので派手さはないのだが、そのぶん「濃い」。そして「自然」である。実際に街中に立って歩いている状況を想起させるというのは、ケレン味あふれる音の演出とは別のベクトルで凄い。

ゲームが次のステージに上がるためにはグラフィックだけでなくサウンドの進化も必要であるという認識が広まれば、「ゲーム×シアター」を心から推す筆者としても実に喜ばしい。

4.0.2chか、6.0chか?

なお、7chのアンプを搭載するRX-V6Aはフロントプレゼンスではなく、サラウンドバックを使うスピーカー構成も可能だ。試しに『バイオ』のオープニングシーンで4.0.2ch(シネマDSP 3Dでイネーブルドスピーカーを鳴らす)と、6.0ch(サラウンドバックスピーカーを追加)を聴き比べてみたが、後方の精密な移動感や音の厚みという点では確かに6.0chが有利。一方、場の空気感の濃さや全方位から音に包囲されている感覚は4.0.2chの方が強い。

どちらも甲乙つけがたい結果だが、今回のレビュー環境である6畳のスペースでは視聴位置後方にさらに2本スピーカーを追加するのはあまり現実的ではなく、またある程度音量を上げると後方の音が飽和してしまう感覚もあった。

とりあえず6畳程度の広さであれば後方のスピーカーは1組で十分なので、Dolby Atmosコンテンツが増えている現状も踏まえると、フロントプレゼンスを優先した方がよさそうだ。イネーブルドスピーカーならフロントスピーカーの上に置ける=設置が容易という点も見逃せない。

RX-V6Aはフロントプレゼンスではなく、サラウンドバックを使うスピーカー構成も可能

さて、ここまでRX-V6Aについて書いてきたわけだが、初めてAVアンプを導入する方にとっては、弟機の「RX-V4A」(49,500円)も気になるところだろう。筆者は個人的にRX-V4Aを使用しており、それを踏まえて両機の違いにも触れておきたい。

左からRX-V6A、RX-V4A。フロントではほとんど見分けがつかないが、背面端子には少なからぬ違いがある

まず、拡張性・発展性が違う。具体的には、搭載アンプ数(RX-V6Aは7ch、RX-V4Aは5ch)・Dolby Atmos/DTS:X対応の有無・フロントプリアウトの有無という三点が大きい。RX-V4Aは5.1chのシステムで打ち止めなのに対し、RX-V6Aは5.1.2chのイマーシブオーディオのシステムを構築したり、サラウンドバックを追加した7.1chのシステムを構築したり、フロントスピーカーをバイアンプしたうえで5.1chのシステムを構築したりできる。

そして忘れてはならないのがフロントプリアウトで、既存の2chオーディオのシステムとサラウンドを共存させるうえで重要になる。最初は2chや5.1chから始めるにせよ、将来的にサラウンドのシステムをもっと発展させたいという気持ちがあるなら、その時はぜひともRX-V6Aを選んでほしい。

続いて、もちろん再生音も違う。RX-V6AはRX-V4Aと比べて細部の描写力に優れ、「鋭い音を鋭いまま」、「硬い音を硬いまま」出してくるので、効果音のリアリティに明らかな差がある。ゲームはリアルタイムで膨大な量の効果音が飛び交うため、ひとつひとつの効果音がリアルになれば、その積み重ねによって最終的なゲームプレイの印象は大きく変わる。特に『バイオ』の、闇の中で突然音を立てる何者かの存在感には震えがくるほどだ。エントリークラスの兄弟機とはいえ、純粋な音質でも「グレードの違い」は確かである。

ちなみに、RX-V6AとRX-V4Aの上位・下位の違いはこのように大きいのだが、RX-V6Aとその上位機「RX-A2A」になると、機能面に関して言えばほとんど違いがなくなる。RX-A2AはヤマハのAVアンプの上位シリーズ「AVENTAGE」に属し、筐体・音作り・長期保証といった点で差別化されているものの、純粋に「出来ること」で差はないということは覚えておくといいだろう。

ゲームだけでなく、映画や音楽再生にも

今回は記事のテーマ上、コンテンツはとしてはもっぱらゲームを扱ったが、もちろんRX-V6AはBD/UHD BD/ストリーミングといった映像コンテンツでもその実力をいかんなく発揮し、各種ネットワーク機能による音楽再生用途でも活躍する。

RX-V6Aは最新のAVアンプに求められる機能を網羅し、十分な拡張性を備え、使いやすく、音質的にも申し分ない、エントリークラスのAVアンプとして非常に優秀なモデルである。初めてホームシアターを作る人はもちろん、最新機能を求めてAVアンプを買い替えるユーザー、こんにちの進化したゲームを最高の状態で楽しみたい人にも、胸を張っておすすめできる。

(協力:ヤマハ)

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