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恐竜時代が終わった季節は春だった 北米の化石から証拠を発見 - auone.jp

白亜紀末期の北半球には肉食恐竜ティラノサウルスがいた。小惑星が衝突した季節が絶滅に影響した可能性もある

 恐竜を絶滅させた約6600万年前の小惑星が地球に落ちた季節は、北半球の春だった――。そんな研究結果を、欧州の研究チームが24日付の英科学誌ネイチャーに発表した。小惑星の衝突によって死んだ魚の化石に残る証拠を突き止めたという。

 現在のメキシコのユカタン半島に直径約10キロの小惑星が落ち、チクシュルーブ・クレーターができたのは白亜紀の最後だ。衝突の影響は大きく、恐竜や翼竜、アンモナイトなど当時の生物の76%が絶滅したと考えられている。

 ただ、衝突した季節がいつかを絞り込むのは難しかった。そこで研究チームは米国ノースダコタ州の「タニス」と呼ばれる場所で2017年8月、小惑星が落ちた白亜紀末と古第三紀を分ける「K/Pg境界」と呼ばれる地層から、魚のチョウザメの仲間の化石を発掘して詳しく調べた。

 チョウザメは口を開けて泳ぎ、水の中にいるプランクトンを、えらでこしとって食べる。化石のえら部分を調べたところ、「スフェルール」という小さな粒子が見つかった。

 スフェルールは、小惑星衝突で溶けた岩石が空中で冷え固まってできた粒子で、当時の地球に空から降りそそいでいた。魚の消化器部分からは見つからなかったため、えらに粒子を吸い込んですぐに死んだと考えられた。

 チョウザメは季節によって骨の成長速度が違い、木材の年輪のような成長パターンが骨にできる。保存状態がよい魚6匹について、化石を薄く切って顕微鏡などで骨を調べたところ、魚が死んで骨の成長が止まった時期が春だったことがわかったという。

 生き物の多くは、春に繁殖して成長する。そのため、特に北半球にいたティラノサウルスやトリケラトプスといった大型恐竜は、多くの卵や子どもが小惑星の影響で失われ、絶滅につながった可能性がある。

 南半球にも恐竜はいたが、研究チームによれば小惑星の衝突で大量のちりが空中を漂い、地球全体の気温が低下して冬のような状態が続き、絶滅したと考えられる。

 ただ、衝突時に秋だった南半球では、地中の巣穴で冬眠に備えていた哺乳類などへの衝突の影響は春に比べて少なく、生き延びたとみられるという。

 研究チームは、今回の季節に注目した研究が、現代の気候変動の影響による生物の絶滅リスクを調べることにも役立つ可能性があるとしている。

 論文は科学誌のサイトに掲載(https://www.nature.com/articles/s41586-022-04446-1)された。

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