Search

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、推進剤の充填作業を終える - GIZMODO JAPAN

12月24日の打ち上げが迫る!

幾度となく延期されてきたミッションの打ち上げがようやく現実味を帯びはじめました。有毒化学物質から身を守るために保護スーツを着用した数人のミッションスペシャリストたちが、10日間に及ぶジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の充填作業を完了したのです。

欧州宇宙機関(ESA)のプレスリリースによれば、フランス領ギアナの宇宙センターで行なわれていた充填作業が終わったのは12月3日のこと。この作業の完了は大きな節目となります。というのも、これで残るはアリアン5ロケットへの望遠鏡の搭載、最終的な調整、そして発射台へのロールアウトのみとなるからです。

この国際的なプロジェクトは台無しになる恐れがありましたが、ついに物事が少し正常になったように思えます。このプロジェクトは数々の問題に悩まされてきたので、充填作業がトラブルなしに終えられたこと自体がささやかな勝利のようでした。実際、充填作業が許されたのは、望遠鏡全体への振動を引き起こしたインシデントで望遠鏡はダメージを受けなかったとNASAの調査員たちが断定してからのことだったのです。

トップの画像で充填作業を行ったスペシャリストたちが着用しているのは、Self-Contained Atmospheric Protective Ensemble (SCAPE)スーツ。推進剤である四酸化二窒素とヒドラジンはとても有毒なため、身を守るために着る必要がありました。

ウェッブは望遠鏡でありながら宇宙機です。この次世代の観測所はNASA、ESA、カナダ宇宙庁(CSA)によって建設され、アリアン5ロケットからの分離後の重要な軌道修正のために推進剤が必要になります。先代のハッブル宇宙望遠鏡とは異なり、ウェッブは周回軌道で観測を行なうわけではありません。この精密な赤外線観測用宇宙望遠鏡は極寒な環境を要するので、地球から150万キロメートル離れたラグランジュ点(L2)に送られます。太陽を周回するこの特別な軌道は地球の影にあるため、ウェッブを極低温に保ちやすくなっています。搭載されている機器は、さらなる遮光板によって光と熱から守られるとか。

推進剤は、ウェッブの軌道修正や宇宙空間での推進力の管理といった通常の活動にも必要になります。ウェッブが観測を始めるのは打ち上げからおよそ6ヶ月後、その時にようやくこの赤外線望遠鏡の実力を見ることができるのです。ウェッブはハッブルのように太陽系、天の川銀河、離れた星雲を観測していきますが、遥かにパワフルなので、宇宙の最初の銀河や遠く離れた太陽系外惑星の大気組成といった見落としていた詳細を明らかにするでしょう。

この次の行程は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡をアリアン5に搭載してロケットのフェアリングで固定すること。その後、ロケットは最終組立棟に輸送されて、打ち上げ前に必要な調整が行なわれます。打ち上げまであとわずか、数々の延期やトラブルに見舞われてきただけにここまでたどり着けたことが奇跡のように思えますが、ロケットが空へと向かうその瞬間まで気を抜かずに見守りましょう。

Source: ESA,

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細
https://ift.tt/3J0ZAnT
科学&テクノロジー

Bagikan Berita Ini

0 Response to "ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、推進剤の充填作業を終える - GIZMODO JAPAN"

Post a Comment

Powered by Blogger.